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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのrosechocolatのレビュー・感想・評価

4.0
何を書いてもネタバレになっちゃうので、うっかり書けないんだけど、
『籠の中の乙女』や『ロブスター』とはまた違う点として、何がどうしてこうなっているという「思考」について、本作は一切触れていない。かと言って観客の想像に投げきっているのともまた異なる。

わずかながらヒントがあるとすれば、イザヤ記35章だけど、これもこのままそっくりそうなのかという訳でもなさそうだ。

報復をするにあたり、何をもってどうすれば最も効果的なのか?結局のところ、目には目をでなければ納得できないのか?

様々な想像を掻き立てられるけど、全篇にわたり不協和音の連続に包まれた内容は、この世で最も怖いものは人そのものであると言うことを表現するに相応しいのではないだろうか。自分ルールに縛りつけようとする人間が増えてきた今だからこその話のように思える。
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