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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのcigaretteのレビュー・感想・評価

3.5
ラン ティモス監督の「もしもシチュエーション シリーズ」(←勝手にシリーズにしてる私) 今回は「もし、自分の罪の代償として、家族が1人殺されるなら誰を差し出す?」という、究極過ぎるクエッション。

[ストーリー](ネタバレややあり)
主人公は、心臓外科医のスティーブン。
彼はマーティンという少年と時折、密会を繰り返していた。
そのマーティン少年が、じわじわとスティーブンの職場や家族に接近しはじめ、四六時中、連絡をしてくるようになると、スティーブンも扱いに困り、だんだん無視を決め込むようになる。
ある日、スティーブンはマーティンに「家族の誰を一人殺すか早めに考えないと、全員に酷いことが起きていくよ」と、気味の悪いことを告げられる。そして、予告通り、バタバタと原因不明の病に倒れはじめていく家族たち。
マーティン少年の徹底した「目には目を歯には歯を」な、ハンムラビ法典主義に振り回されるスティーブン一家。
追い詰められたスティーブンが、最後に下した決断とは……。


* * * * *
えーっと、何これ、呪い系? 催眠術系?
へりくつ屋なあたしに、アレコレ考える暇も与えない程、ぐいぐいストーリーが押し進められていきます。
人間が考える あらゆる回避法など、まったく無力だと感じさせられる世界。
オーメンで、悪魔ダミアン君に、誰一人 逆らえないのに似ています。

さて、本タイトル 「聖なる鹿ごろし 」の意味が、気になるところですが、これは 自分の犯した罪滅ぼしに、身内の生贄を一人差し出す という、古代ギリシャ神話からきてるようです。まさに、そのままな内容。
ギリシャ出身の ランティモス監督らしい視点で、人間の究極の本質を抉り出してました。
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