ざわ

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのざわのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

バリー・コーガンくんの目つきがすごい。恐らく全く意識してないただの無表情でも、他人を試すような目をしている。だから何気ない会話でもゾワッとする。

あと、バリーくん演ずるマーティンは、びっくりするほど純粋というかなんの疑いも持たない子だった。「他人の家族を1人殺したんだから、お前の家族も1人殺さなきゃ割りに合わないよ?」っていうドン引き論法を、強い憎しみを浮かべるでもなくサイコっぽくでもなくただただ当然のように言うんだから凄えわ……。

ラスト、「謎のトンデモパワーが働いて全員助かります!」とか「お前を殺して俺も死ぬ」とかではなく、生贄を避けられなかった展開大好き。特に理由のない不条理な呪いなんだから、不条理を貫いてくれなきゃ困るよ。最後までそうであってくれてありがとう。

あと、全員が命乞いをするところも人間臭くて好きです。「私が死ぬ!」って志願者が出そうな展開だけど、みんな狡猾に自分が助かろうとしててよかったよ。一番引いたのは、妻の「殺すなら子どものうちどっちかよ、私たちならまた子どもを作れるもの」ってやつ。サイコかよ。怖えよ。

エンドロールで音楽が流れないのも珍しかった。鬱々とした余韻が続くね。

余談:コリン・ファレルの体毛(私の勝手なイメージの割に)薄くない……?本気出して……?
ざわ

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