Pinkman

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのPinkmanのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

目には目を歯には歯を。
家族の心臓部にメスを入れる。

スティーブンとマーティンは好きなものを最後に残しておく主義。二人は同じ食べ方をする。

人から高価な物を貰ったらお返しをする。
人から大切な物を奪ったら仕返しされる。
当初マーティン親子は家族の座を狙ってスティーブンに取り入ろうとしていた。でも思うように物事は進展しない。そこでマーティンはスティーブンに家族の一人を殺さなければ家族全員が死ぬことになると警告した。マーティンの予告はその後現実のものとなる。

四人の家族が食卓を囲む。しかしテーブル席には三人分の椅子しか用意されていない。家族の生死は一家の主で医師でもある父親の手に委ねられた。こうして親子の椅子の取り合いが始まった。妻は女の武器を使って色仕掛けで迫り、姉弟は這いずり回って親思いの良い子を演じた。夫が留守の間、妻はマーティンの靴を舐めることさえいとわなかった。

跡を継ぐのは自分だと思っていた。家族のために途中退席を余儀なくされたボブは一人だけ大人になることができなかった。

食べる姿は人の心に強い印象を与える。キムが食べる様子をマーティンは食い入るように見つめた。二人の様子に気づいた両親は立ち上がり店を出ようとする。帰り際キムは一度マーティンの方を振り返ったあと後ろ髪を引かれながら店をあとにした。マーティンの登場により家族団欒の時間は終わった。

人間いつ死ぬかわからない。もう食べるチャンスなんてないかもしれない。据え膳食わぬは男の恥。目の前に出された料理の中で一番好きなものから食べないと結局は食べ損ねる。
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