ハシオ

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのハシオのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

『女王陛下のお気に入り』で完全にメジャー監督の仲間入りを果たしたヨルゴス・ランティモス監督。
今作はそんな監督の2017年の作品で、
カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞しています。

予告編からして不吉そうな映画だなと思っていたのですが、いきなり心臓どアップの冒頭にはビビりました笑

内容としては、髭モジャでダンディーな心臓外科医・スティーブン(コリン・ファレル)が、元患者の息子マーティン(バリー・コーガン)を気に留め、家に招き入れるなど親しく交流していくところから展開していきます。

とにかくバリー・コーガンのいかにも
10代らしいファッションのダサさと、
ヤバそうな気配が素晴らしい。
絶対何かが起きるだろという予感がして、
キャラの日常会話を見ているだけでも
ハラハラドキドキします。

で、物語が進むにつれ、
スティーブンの隠されたベールが見えてきて幸せだった“家族”の崩壊が進み、ついにラストには…!

結論として、「目には目を」的な映画で、
スティーブンが代償を支払わされるのですが、本当に嫌な気分になります(褒め言葉)。

そして、タイトルの『聖なる鹿』なんですが、ギリシア神話の『アウリスのイピゲネイア』が元ネタ。
(作中でもキムがこの神話についてレポート書いてたとかありましたね)

この『イピゲネイア』、色々説があるようですが、その見方によって“聖なる鹿”とは何なのかが微妙に違ってきます。

個人的に分かりやすかったのは、「狩猟の女神・アルテミスの鹿を殺したギリシャ軍総大将のアガメムノンが、その代償として自分の娘を生贄に差し出した」というバージョン。
つまり、ここでいう聖なる鹿はマーティンの父ということですね〜。

ただ一個分からないのは、ニコール・キッドマン演じる主人公の妻が、夫の同僚から情報を得る為に手コキをするシーン笑
そこセックスじゃないの?と、どうもモヤモヤしてしまった…。
ハシオ

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