聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアの作品情報・感想・評価

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア2017年製作の映画)

The Killing of a Sacred Deer

上映日:2018年03月03日

製作国:

上映時間:121分

ジャンル:

3.7

あらすじ

心臓外科医スティーブンは、美しい妻と健康な二人の子供に恵まれ郊外の豪邸に暮らしていた。しかし、彼らの特権的な生活は、ある少年を家に招き入れたときから奇妙なことが起こり始める。子供たちは突然歩けなくなり、目から赤い血を流す。そしてスティーブンはついに容赦ない選択を迫られることになる…。

「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」に投稿された感想・評価

不穏な空気が溢れかえっててすごいものを観てしまった感じ。映像や音が好みだった。
deadcalm

deadcalmの感想・評価

3.6
居心地の悪い不条理が独特なカメラワークで展開する。古い神話や民話の古典らしい理不尽さをそのままに現代にうまく翻案しており、面白かった。謎の青年がほんとによくわからない感じで、「コクソン」の國村隼 (前半) をちょっと思わせ、たいへん良かった。

体験としては「マザー!」ほどぶっ飛んでいかないし「ファニー・ゲーム」ほどエグくもなく、なんというか抑えた上品な味わい。ちょっとダレる感は否めず。
okp

okpの感想・評価

4.0
ギリシャ悲劇を題材にした映画。かなり面白いんだけど、単なる象徴として描くだけだと意味が薄くて、そこを超えたもう一歩が欲しかった。

あとカメラワークとして演出過剰なズームインとかが多用されすぎという感想。
しかし、ズームアウトの使い方はとても面白くて、エスカレーターで真上からの俯瞰映像でボブの足に呪いがかかった時のシーンは、超越的な存在を感じさせる高度な仕事だとおもった。

アイズワイドシャットぶりのニコールキッドマンみたけど時止まってるのかこの人
horahuki

horahukiの感想・評価

4.4
オッサンのわき毛に興味津々な少年マーティンくんが、オッサンに会いたいがために職場突撃したり鬼電したりして、家族を狂わせていくサイコホラー。

今年ベスト級な傑作!!
かなり難解なイメージで敬遠してましたが、劇場行かなかったことを後悔するレベルの大好物な作品でした。

冒頭から、セリフの中に現れる細かい情報のひとつひとつが数珠繋ぎとなって次々に連鎖し、少しずつ広がりを見せていく話運びが非常に丁寧。点と点が線となり、その線が複雑に交差し絡まり合い大筋を明らかにしていく。そしてそれにより小さなカタルシスの連続を作り出すことで静かな語り口ながらもある種の心地良さを観客に与え、物語に引き込み続ける。カンヌの脚本賞も納得な非常に優れた脚本だと思いました。

そして、特徴的なカメラワーク。キャラクターを前面もしくは背面から捉えたトラッキングと、ズームインアウトを多用することで、日常的なシーンながらも、どこか居心地の悪い違和感を観客に与える。流石にやり過ぎ感あるように思うけど、実際に終始おさまりの悪さとか気持ち悪さを感じたので、これが正解なんでしょうね。

そんで本作の大筋はホームインベージョンスリラー。平穏で円満。なおかつ両親ともに医者で非常に裕福かつ誰もが羨むような理想的な家庭。その家庭に侵略者が現れることで、家族の歯車が狂い始める。面白いのは、その侵略者による介入を許したのは父親のかつての過ちだというところ。

そして本作のさらに面白いところは、そもそも本当に侵入者による介入があったのか?ということ。夫に浮気された妻、初彼氏ができて家出を考える長女、思春期突入した長男の反抗期。そして職業的な危機を抱えた夫。それらを総合して全てを暗喩的に象徴する存在がマーティンなんじゃないかな。妻に浮気を告げ、長女を誑かし、タバコや男性としての身体の変化、女性との性的関係を長男に示し、職業上の重大な過失を父親に指摘する。マーティンは日常的にどんな家族でも抱え得る崩壊の危機を表す存在なのだと思います。そして家族の危機は今後も当然訪れるし、ずっと向き合っていかなければならないものなわけです。

作中にも出てた『イピゲネイアの悲劇』についてはwiki読んだだけなので詳しくはわかりませんが、タイトルの意味はきっとここに関係してるのでしょうね。マーティンと家族や本作のテーマ、結末を考えると納得なタイトルだと思います。まあ、実際のところ何を描いたんかはわかりませんが(笑)

「マーティン=ポテト」に血を思わせるケチャップをぶっ掛けて、お前なんて大嫌いだと言わんばかりに最後ではなく「一番最初に」食らいつくシーンとかセンスあり過ぎだし、向き合いつつも屈しない姿勢が凄く良かった。パスタの食べ方で家族の希薄さや脆弱性、そして所詮は他人と何ら変わらないことを伝えるなんてのも面白いし、この監督凄いですね。今後も注目して行きたいし、過去作も見てみたいと思いました。
Rucola

Rucolaの感想・評価

3.7
『ロブスター』のよくわからない感じが、そこまで嫌いじゃなかったので期待していた同監督の作品。

あっちも不気味だったけど、こっちはさらに不気味。何をとっても不気味にしか感じられない...
冒頭の心臓が画面いっぱいから、もう不気味。私はだいぶ耐性あるものの、あれで観るのやめちゃう人もいるんじゃないかと思うくらいいきなりの映像。

『ダンケルク』に出ていたバリー・コーガンがとにかく気味悪い...演技が上手いということですね。
喋り方も、仕草も、何もかも。
スパゲティを食べるのすら気味が悪い。

女の子の歌う声もまた不気味。
病院の廊下を歩くだけのシーンなのにそれも何だか不気味。
何を思い出しても、何を書こうとしても不気味って表現しか出てこない〜

以下ネタバレ!
まだの方はここまで!






















もう何が言いたい映画だったのか、よくわからず。
久々に見かけたアリシア・シルヴァーストーンはなぜかコリン・ファレルの指舐めてるし(笑)
コリン・ファレルのよくわからない人間ロシアンルーレットも笑えない。
最後のポテト食べるシーンも不気味。
何かを表してるんだろうけど、理解不能。

でも...嫌いじゃないです、この映画。
エマ・ストーン主演の同監督の最新作が楽しみすぎる。
emeth

emethの感想・評価

3.0
現代版「眼には眼を」
こっちはただ嫌な感じしかしない。
「ギリシャ悲劇メタファーの不条理胸糞劇」

担当した患者を死なせてしまった罪悪感から患者の息子によくしてたらなんか自分の娘達が歩けなくなり始めたとかそんな粗筋。

ジャンルとしてはサスペンスなのか。何が起きるか分からない終始不穏な空気感はホラーぽくもある。音楽がまた不気味。これ予告見て挑んでも暫くどんな話なのか掴めないまま見てたもんなあ。でもその分からなさは嫌いじゃなかったりするのでこの映画も楽しめたな。

ギリシャ悲劇「アウリスのイピゲネイア」から着想を得た物語らしくて、神とかやっぱそっち系なのか。疑問形なのは、作中明確な答えを提示してなく、色んな解釈ができる系映画。しかも不条理な胸糞物語。最近で言うと「マザー!」に近いものがある。

それでも「マザー!」より全然楽しめたのは話の構造はシンプルだし、解釈ができる範囲も凡人の自分でもなんとなくこうなんだろうか、と思い描けるから(それがあってるかどうかは別)かな。
見てる間も終始緊張感が漂うし、マーティンの徐々に不気味さが増す演技も怖面白い。

まあでも人を選ぶ作品なのは確か。自分は好みだけどオススメはしにくいなあ。

—————ここからネタバレ—————





















ラスト、あれはあれで第2回戦が始まるのか、とか思ったりすると良いラストなんだが、父親グルグルな時で終わって良いとも思った。ハッキリ息子が死んだ描写入れるんだ、と逆にビックリしたよ。誰が死んだか分からないまま銃声だけが響き渡って幕引きだと思ったもん。

まあ本音を言えば娘に死んで欲しかったけどな。
あんなコトされてんのにマーティンが好きなのもなんか嫌だし、ボブに死んでって言った時はお前が死ねってツッコンでしまったくらい。
ゆべし

ゆべしの感想・評価

3.5
ロブスターから笑い抜いて気持ち悪さと後味の悪さをふんだんに追加した感じ。
ギリシャ神話がベースってことを知って、途中の意味のわからないセリフも納得がいったり。とりあえず、きみわるい…。
コリンファレルのヒゲがすごい。ニコールキッドのおっぱいはナチュラルか気になる。
キューブリックのようなカメラワーク、カット構成を渇望していた僕には打ってつけの映画だった

本作のファーストカットも時計仕掛けと同じように、脳裏に焼きつくモノになった

ストーリーの中盤まで行くとファーストカットの意味はわかるようになっている

後味は最悪で、今現在少し吐き気がします
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