ゆーさく

ナラタージュのゆーさくのネタバレレビュー・内容・結末

ナラタージュ(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

恋愛モノの割に結構な長丁場!

でも、そのお陰で説明ゼリフに頼らずに丁寧に心情が描写されてて、「こいつ急にこんな行動取るのおかしい!!」みたいな違和感が無かった。素晴らしい。


ストーリーうんぬんよりも、人物に共感して楽しむ映画だと思った。


主役の松潤が演じる葉山先生は、常にHPが3くらいしか残ってなさそうな、とにかく元気の無い男。

なんか松潤自体の特性なのか、そういう演技なのか分からないけど、表情や喋り方がなんかスケベっぽい。

ヒロインの泉が
「私、葉山先生のためだったら何でもします」的な事言ったときに、
「ダメだよ…そんなこと言っちゃ…」って松潤がたしなめるんやけど、その表情もなんかスケベで。

今にも「君、何でもするって言ったよね…イヒヒ…」とか言い出しそうな感じした。


でも元気無い役のおかげでセリフも少ないし、ボッソボソ喋るから、普段の松潤とギャップが出てて別人には見えた。
そこは良かった。

感情がたかぶってちょっと声張ると、「あ、松潤や」ってなるけど。



俺が作中のキャラのなかで一番共感出来たのは、絵に描いたような噛ませ犬の坂口健太郎!


「夜中の電話誰から掛かってきたの?ケータイ見せてもらって良い?」とか

別れを告げようとする泉に、
「そんなに悪いと思うんならさ!地面に手ェついて謝ってよ!」とか


そりゃパッと見、なんやコイツ器ちっちゃ!と思っちゃうような言動も多いけど、どんだけ好きだって伝えても暖簾に腕押しな相手への苛立ちってこんな感じやろうなって、そこがリアルだった。

器ちっちゃい発言した後の「うわ、俺、器ちっちゃ…」みたいな自己嫌悪に陥る表情も良かった。わかるわぁ。


逆に葉山先生は、俺は好きになれない。
本心は欲まみれの癖に、気遣い出来る感、めっちゃ出す男。
善人なんだろうけど、本音は見せてくれない奴。多分苦手。


有村架純は良いですね❗
有村架純にあんだけ惚れられたら、家に火つけてくる元嫁の事なんか一瞬でどうでもよくなるやろうな、俺なら!

彼女のなにが良いって脚の形ね!
太すぎないしマッチ棒でもないし。ちょうどええ。

そう言えば、この映画とにかく泉の足元の描写が多い。
多分、その時々の泉の心情の象徴なんだと思う。

葉山先生の前で晒す素足は、心をさらけ出してる事の象徴。


坂口健太郎のくれた靴を履く時は、本心を坂口健太郎との恋愛で覆い隠してる状態。
脱ぐ時は、その逆。


汚れた裸足で先生のもとに向かうのは、さらけ出した心が傷んでしまうことを厭わない覚悟の象徴。


あとラストシーン先生からもらった懐中時計も同じように象徴的。

次の男が表れてネジを巻いてくれるまで動かない、泉の心の喩えなんでしょう、きっと。


撮り方も演技も上手で満足でした!
ストーリーがつまらん事以外、特に不満は無い!
ゆーさく

ゆーさく