踊る猫

ナラタージュの踊る猫のレビュー・感想・評価

ナラタージュ(2017年製作の映画)
3.0
こちらの期待値が高過ぎたせいなのか、あまり前のめりになって観ることが出来なかった。平板なストーリー展開が延々と続く……もちろん印象に残るショットはある。風呂場で散髪する場面、土下座、制服のままプールに飛び込む……それらが浮き立ってこちらの記憶を刺激し続けるのは流石に行定勲監督の手練れの技だなと思い知らされた。映像は上品であざとくない。だからあとは脚本の問題になって来るのかもしれない。原作を読んでいないのでなんとも言いかねるが、例えばこの映画に欲しかったのは今の邦画(の、時によると悪しき風潮)が備えている「登場人物が泣き喚く」「劇伴で引っ張る」「テクニカルなカメラワークで遊ばせる」といった刺激だった。逆に言えばそういう刺激がない分この映画を好ましく思う方もおられるわけで、だからこの点数は好みによるところが大きい。あとやはり時間が長過ぎるのではないか?
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