きよみず

ナラタージュのきよみずのレビュー・感想・評価

ナラタージュ(2017年製作の映画)
4.0
#2019-3
原作は未読だけど、映像作家行定監督を存分に味わえる一作だったと思う。adieuの主題歌もよりラストが際立つ。
鍵となる雨の音や波の音が心地よいし、光と対比される有村架純の陰影、トンネルや電車を使った2人の距離感を表現は憎い。
懐中時計や坂口健太郎の衣装が白から黒になっていくのも王道だけど良い。

恋愛というよりも、恋愛関係を通した救済が肝になっていたんじゃなかろうか。
劇中の彼らの恋愛感覚に共感できるできないは別問題として、救済たる存在で明暗を分けてしまった2人の少女の対比は良かった(口にできなかったセリフで既に暗示されていた)し、愛するほど狂ってしまう坂口健太郎は勿論、松本市川夫婦のエピソードも合点がいく。

ただ常にゆっくりなスピードだったのであと10分短いだけでもっと好きだったし、濡れ場そんないる?って感じ。
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