辛ラ主義者

マンハントの辛ラ主義者のレビュー・感想・評価

マンハント(2018年製作の映画)
2.6
 クソダサい。全篇ダサい。

 エフェクトを多用したスタイリッシュ編集がダサい。許しがたいレベルでダサい。ことごとく不要なうえにガチャガチャした画面になって猛烈にダサい。鳩を出したい気持ちはわかった。鳩はしょうがないよな。この映画で冴えてると感じる演出、鳩だけだし。

 話のスケールが無駄にでかくなりすぎでダサい。こういうのは90年代のいろんな腹立つ要素と一緒に爆破してきたじゃん! いやまあ邦画はやってないけどアメリカ映画とか韓国映画とかがこつこつ否定してきたはずじゃん、何を今更やってるんだと。しかも池内博之や國村隼が背後のストーリーのスケールを全く無視したクソ低脳な理由で行動するので完全に真顔になる。死ね。

 そして福山雅治である。スカしすぎやんけとは思うが、まあでも「ガリレオ」シリーズでも『そして父になる』でも常にスカしてきた福山を、個人的には毎度毎度受け入れてきたので、今回もそこはどうだっていい。問題は福山・桜庭みなみペアの目的が不明瞭かつ不安定にも関わらず、作品の本筋としてフォーカスされる点で、そのためにチャン・ハンユーの逃亡劇が切迫感を欠いてしまっていると思う。最後も「な~にがFor Better Tomorrowやねん」とツッコミをつい入れてしまいましたが、ましゃなんでね。あと桜庭ななみは可愛かったし。

 それとどうでもいいことだが、『マンハント』という題名を初めに聞いたとき、ああジョン・ウーが取り組んでいたという『野獣の青春』のリメイクがついに完成したのか(『野獣の青春』の原作は大藪春彦『人間狩り』だったので)と思った人は少なくなかっただろう。しかし蓋を開けてみると『君よ憤怒の河を渉れ』のリメイクだった、いやリメイクとは名ばかりの作品だった(途中台詞で若干の言及がある程度)ので驚いた。