せーじ

マンハントのせーじのレビュー・感想・評価

マンハント(2018年製作の映画)
3.5
134本目。Filmarksでのレビューが面白いものが多く(特にベルサイユ製麺さんのレビューが面白いです。必見)気になっていたこの作品。
意を決してレンタル&鑑賞。
ちなみにジョン・ウー監督作品は今回が初鑑賞。

いや~、凄かったです。

冒頭からイナたい日本演出&唐突なガンアクションに思わず「えええええええええええ」と声をあげてしまいました。
その後もだっさいパーティーシーンだとか、現場を見てもいないのに「この人が殺したのよ~!!」と言ってしまうお手伝いさんだとか、本筋とは一切関係ない(けれどもかなり大ごとそうな)人質事件をちゃちゃっと解決してしまう福山雅治氏だとか、そんな彼を甘やかすもとい優しく見守る上司の竹中直人氏だとか、いかにも絵に描いたような新人刑事だなと思ったら事件現場で意味なくトランスする桜庭ななみさんだとかがわしゃわしゃしているので、全くツッコミが追い付きません。でも、そんなことを一切気にしないまま語り口だけがパワフルに加速し続けていくので、面白いは面白かったです。
心理描写を何のひねりもないまま、そのままの絵にして表現してしまうやりかたも新しいし、スローモーションの使い方もダサいを通り越して逆に面白かったですし。銃撃戦とかで直接関係ない人までバッタバッタ死んでいきますが、ゴアではないどころか悲壮感の欠けらも無いので、安心して観ていられます。嫌いじゃないです、こういうの。

でも、この作品にストーリーはあるんでしょうかねぇ…。
基本的には「逃亡者バディもの」なんでしょうけど、そもそもの話、何故敵勢力があの時点で主人公を消さずに濡れ衣を着せるだけで終わらせたのかっていうのが、ちょっとよくわからなかったです。逃亡する主人公も、逃げるならもうちょっと上手くやればいいのにって思うくらい、行く先々でいろんなトラブルに巻き込まれるし。というよりも、行く先々での見せ場に自分から飛び込んじゃってる様に見えてしまうというのがなんとも。なんだか、作り手が魅せたいシーンというものがまず前提にあって、それを全部叶えるために無理くりにストーリーを繋げて作っている様に感じられてしまいました。
…もっとも、こういう作品でそういうことを言ってはいけないのでしょうね。そして、魅せたいシーンを形にしようとして、それを全部全力で叶えてしまうパワーだけは、素晴らしいと思います。(これを邦画でやれと言われても無理でしょうし、実際やろうとしてそれが出来てない作品も少なくない訳ですから。えっ、この作品って過去の邦画のリメイクだったんですか…?)

福山雅治さんが超絶カッコよかったので、ファンの方は是非。
あと、大阪をはじめとした日本ロケをかなり本格的にやっているので(大阪城近くでだんじりを回す祭りってなんやねーんとはなりますが)、そこらへんの邦画ではお目にかかれないであろうアクションシーンを堪能するという意味でも、楽しめるかもしれません。
お菓子やお酒、おつまみを片手に"そういう映画"として楽しむにはピッタリな作品だとは思います。
せーじ

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