ピカチュウのパパ

22年目の告白 私が殺人犯ですのピカチュウのパパのレビュー・感想・評価

4.3
「面白さ」だけで言えば今年の映画の中でもかなり上位に来ます。
最高のエンターテイメントでした!
もちろん、現実的に考えれば色々とおかしな点や破綻している点もありますが、それを気にさせないほど観客を引っ張り続ける展開を堪能しました。

まずオープニングからもう素晴らしい。
実際のニュースフィルムと限りなくリアルなオリジナル映像をテンポ良く編集し、そこに荒い画質のクレジットが差し込まれるというめちゃくちゃかっこいいオープニングで、一気に映画にのめり込みました。
ここの「ヒップホップ」感覚はさすが「SRシリーズ」の入江監督!

前半から中盤までは、群衆心理の恐怖を煽るような展開ですが、しっかりと伏線を張りまくっていて思い返すと膝を打つことばかり。
そして、例のどんでん返しが起こってからは完全に映画に引っ張り回されました。
ネタバレになるので詳しく書きませんが、え!?マジで!?の連続でめちゃくちゃ楽しみました。

何より本作が良いのは「ビデオ映像の不気味さ」を駆使してた点。
デジタルテレビ世代でクリアな映像ばかり見て育った自分には、VHSのような粒子の荒い映像独特の生々しさみたいなものが新鮮だったし刺激的でした。
しかもそこで映されるものはリアルな演出による「殺人」だし。
本作の殺人シーンにグロはあまりありませんが、ビデオ映像独特の嫌な感じがあってかなり怖かったです。
ちょっと「悪魔のいけにえ」にも通じるような何か凶々しいものを「見てしまった」恐怖なのかもしれません。
悪魔のいけにえといえば、終盤のああいう展開はモロ悪魔のいけにえ×ドラゴンタトゥーの女を彷彿とさせました。
また、殺人映像と公共の電波の危うい相性みたいなものについてはヴィデオドロームを思い出したりしました。
そういえば、藤原竜也が最後の方でされるある拷問というか攻撃はヴィデオドロームぽかったです。
さらに入江監督の黒歴史と一部で言われている「タマフルザムービー」のフェイクドキュメンタリー部分をかくだいしたのが本作ともいえますって、それはさすがにこじつけか笑

とにかくここまで普通に楽しめる邦画サスペンスエンターテイメントはなかなかないかもしれません。
何度も言う通り決してアラがない作品とは言いませんが、伏線回収とどんでん返しの連打連打にボディブローを喰らいまくる映画体験もたまには良いものです(^^)