Narmy

22年目の告白 私が殺人犯ですのNarmyのレビュー・感想・評価

3.6
聞き覚えのある音声から始まり、怒涛のごとく流れる映像に暫し圧倒される。
理解できたのは1995年、連続絞殺事件が起こりそれが時効になったということ。

2017年、つまり22年後にその時効になった殺人犯が突然姿を現す。
今更現れたその理由は??
時効により罪を償わない犯人に、司法とは別に罪を償わせる方法はあるのか。
当時その犯人を追っていた新人刑事、そしてその被害者遺族はもちろん、日本中がその男に振り回されていく。
そんな中、違う切り口でその男に迫るジャーナリストの出現により、ストーリーが一気に加速していく、、

割とはやい段階でうっすら真相には気づいてしまった。
ただ、それでもどうそこにアプローチし、どう終息させるのかという点を想像するだけでもストーリーは充分楽しめた。

ジャーナリズムとはいったい何なのだろうか。
前半は割とその部分に重きを置いていたような気がする。
現代のSNSによる異常な拡散やマスメディアによる異様な煽りに不快感と妙な怖さを感じずにはいられない。
実際にもここまでのことはないにしろ、近いことはありうるんじゃないかと思ってしまう、、

でも全て観終えてみれば、それだけではなく、過去から積み上げてきた現在だからこそ深くなってしまった問題、当事者以外には見過ごされてしまっている問題が多く詰め込まれている。
後半は設定に対する違和感とかストーリーの失速感が否めないものの描写は丁寧でかなり考えさせられる。

時効から22年経ち、世の中から事件が風化したとしても、関係者の心からは少しも消えることなく癒えることはないということ。
だからこそその連鎖はどこかで断ち切らなければならないんだけれど、それはとても難しい、、
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