姪との関係に着目したヒトラーのテレビ映画。原題「アドルフおじさん」そのままの内容。
フレームストーリーは「総統地下壕の最後の一日」つまり「エヴァブラウンとの結婚の日」その合間合間に、これまでを振り返るといった趣向。
ヒトラーが熱を上げていたのは姪のゲリ・ラウバルのほうで、エヴァ・ブラウンは負けん気を見せ張り合っている。
党が大きくなり、ヒトラーの力も増大してくる。
ゲリが退場することで、ようやくエヴァ・ブラウンにも運が向いてくる。
悪い方向に誇張するでもなく、等身大のヒトラーになっているのが好印象だった。IMDBのトリビア欄、ヒトラー役のオファーを何人もの俳優に断られてるとのことだった。まあ、そりゃあね。
ゲリについては、ロバート・カーライルの「ヒットラー」で履修済みだった。扱いがちょっと違うのも面白い。ゲリの人物造形については「ヒットラー」のほうがよく描けている気がした。こちらのテレビ映画には「変わり者のおじに懐いていた優しい少女」という前提がないので、ヒトラーが一方的に情熱を傾けているように描かれている。
総統地下壕でその日なにが起こるのかは、「ヒトラー 〜最期の12日間〜」などで当然、知っているものだとして話が進んでいる気がした。
面白かった。