このレビューはネタバレを含みます
ヒトラーと彼の姪:ゲリ・ラウバルの「親密すぎる関係」を描いた作品です。
ゲリには前々から興味を持っていたのですが、これまで彼女をテーマにした作品に出会ったことがなかったので、個人的には非常に見応えがありました。
自由奔放で明るいゲリ。「以前は叔父様が好きだった」そうですが、権力を手にした「叔父様」ことヒトラーは、徐々に束縛の力を強めていきます。恋愛は愚か、お稽古や友達との遊びも自由にさせてもらえず監視される毎日。ゲリと親しい関係になった男性たちはみな残酷な運命を辿ります。そうした生活が続く中で彼女は「叔父様が怖い」と口にするようになるのです。勝手に理想の女性像を押し付けられ、少しの自由も許されず....。23歳のゲリにとってそれがどんなに辛い出来事だったか、想像に難くないでしょう。
彼女の性格や死因の真相については諸説残されていますが、どれも曖昧で(何冊か本を読んだだけなので私自身知識が浅はかなのですが)何となく謎に包まれた人物だという印象を抱いていました。ですが、この映画を鑑賞して(真実と異なる描き方をした場面も多々あったと思いますが)ゲリとはこういう人物だったのかな...と自分なりに考えることが出来たような気がします。
ゲリのライバル役として、ヒトラーの愛人(後に妻になりますが)エヴァブラウンが登場します。少女漫画にありそうな、ドロドロした展開も面白かったです(笑)
あと、一つ残念だったのは、登場人物たちが英語を話していることです!このダメ出し、ナチ映画のレビューに何回書いたことか...。不自然だしリアリティに欠けるのです。どうかナチ映画はドイツ語で!!(笑)
あ、あと、Filmarksのレビュー、私が初めてみたいです...!マイナーな作品なのでしょうか?
名作!!と言うわけではないのかもしれませんが、このまま放って置くには勿体無い作品だと思います。興味がある方に、是非観ていただきたいです。