たつかわ

ギフト 僕がきみに残せるもののたつかわのレビュー・感想・評価

4.0
「ALS」、日本ではアイスバケツチャレンジで知った人もいるかもしれません。これを扱った映画は結構あり、ホーキング博士夫妻を描いた「博士と彼女のセオリー」、ALS患者を演じたヒラリー・スワンクの熱演「サヨナラの代わりに」等。ALSは脳が筋肉とのコミュニケーションが取れなくなる病気とのことです。

やがては呼吸を司る筋肉までが動かせなくなる。そして進行が早く、発症からそのときまで2~5年。本作は、NFLの元スター選手が、発症直後に妻の妊娠がわかり、その子のためにビデオレターを残す日常を撮ったドキュメンタリーです。

NFLのスター選手だった彼が、病状が進んだあるとき、教会へ行き、信仰治療として牧師から「あーだこーだ」と言われた後、走るシーンが泣ける。選手時代の時のようにしゃがんで片手を地面につけて1歩、2歩と走ろうとするが、4歩目を終えたところで倒れてしまう。さらに病状が進むと頭と肩のバランスが悪くなり頭が大きすぎて不自然なこと、それほどまでに肩の筋肉が落ちたことに胸を突かれるが、それでも車椅子で子どもと遊び、外に出ることを諦めない彼ら家族の姿が素敵でした。

もう回らない口で父親と信仰の議論をするところ、辛く落ち込んだところも映るけど、それ以上に彼らの前向きな姿勢、しゃべれるようになった息子との会話、介護を手伝う陽気な友達、他の患者のための活動などなど、決して暗い話ではありません。

主人公は前述のように呼吸ができなくなるという状況になる。その後どうするのか、延命治療か、安楽死か、
延命治療でもとてもお金がかかる。(ちなみに95%の人が治療を諦める)
いろいろと考えさせられる作品でした。

おすすめです。
たつかわ

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