綾野剛の作る炒飯が食べたいよ〜
ん〜……なんだろうなぁ
悪い映画じゃないんだが、どうもシックリ来ない。
まず絵面的な所から行くと、CG、VFXがちょっと目も当てられないレベルで酷い。
満州パートのエグさたるやよ。
この不安定なはめ込み故の"非現実性"であるとか"ファンタジック性"みたいなのが表現したいのかな?意図的なのかな?と考えてはみたものの、決してプラスではないということだけはハッキリしてるんですよ。
白息や春巻きからの湯気も不自然極まりない。
また、キャスティングにも居心地の悪さがあります。
「あー!ピッタリー!」みたいな人があんまりいなくて……。
西島さんの演技トーンに合わせてるのかもしれないけど、かなり満州パートの演技は舞台演技っぽいというか、とくに鈴木料理長が激昂するシーンなんかは歪ささえ感じるほど、大仰な演技。
別にそれ自体悪いわけじゃないけど、だったらもっとそれを活かす撮り方はないものか……。
なんかちょっと滑稽なんです。
子役の演技演出ももう少しなんとかしてほしいかった。
お話の面だと、大風呂敷がドンドン規模縮小して行く構造は悪くはないですけど、やや個人的に肩透かしを食らった気分。
ただ笑顔で最低なことを言うサイコ感を発揮する西島秀俊や、"レシピ"そのものの見易さの発明がなされたシーンとか、かなり大好きなポイントです。
作品として一定量の満足度はしっかり保証されてますし、なにより出てくるご飯が全部美味しそう!!
炒飯食べたいよー!!!
しかしなんだか全シーン、作り手の顔がチラついたり、妙に撮影現場が見えてくるような、
その世界観に飲み込まれるようなものはなく、どうしても人工的に作られたものとして見えてしまうんですよ。