小

ラストレシピ 麒麟の舌の記憶の小のレビュー・感想・評価

4.0
映画館って、他の人のマナーが気になることがあるけれど、多少の雑音も映画館ならではで、それも含めて映画の鑑賞体験と考えている。その雑音がナイスなケースもあり、お陰で映画にハマるというケースもあると思う。本作、隣の人のガヤがいい意味で印象に残り、やっぱ映画館っていいなあと思った。

現代の天才料理人が、1930年代、日中戦争前の満州国にやってきた天皇の料理番が考案したレシピを探し出す物語で、そのせいか観客にはお年寄りも多く、隣の席は御婆様。

この方が何かと「うーん」とか声を出していたのだけれど、竹野内豊演じる三宅太蔵・陸軍大佐が西島秀俊扮する山形直太朗に「お国のために尽くしてくれるか」と問うシーンで、山形の台詞とシンクロする格好で「はい、尽くします」と呟くものだから、一気に楽しくなってしまった。その後も、何回か台詞と呟きがシンクロし、声を立てずに爆笑ですわ。自分も年をとったら、そうなってしまうのかも。周りの人が笑って許してくれるといいなあ。

と、内容と関係のないことを書いてしまったけれど、映画自体も面白かった。ミステリー要素は読めるベタな展開ながらも、人情話にガッツリ、ジーンときてしまった。ニノは台詞が少なく難しい役どころを良くこなしていたと思われ…。これは隣の御婆様ならずとも、満足度高めの作品ではなかったかと。

あと、料理がめちゃくちゃ美味しそう。個人的には「ロールキャベツ雑煮風」を食べてみたいなあ。雑煮風じゃないだろうけれど、新宿で見たから「アカシア」で食べてくればよかった…。

●物語(50%×4.0):2.00
・人情話にジーンと。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・料理、美味しそう。

●画、音、音楽(20%×3.0):0.60
・雰囲気良かったかな。

●お好み加点:+0.2
・隣の御婆様の呟きにツボる。映画館ってイイですね。
小