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ラストレシピ 麒麟の舌の記憶のkenのレビュー・感想・評価

4.2
ラストレシピ、この作品のタイトルに自然と惹かれた。天皇の料理番 山形直太朗(西島秀俊)は1930年代の満州国で「大日本帝国食彩全席」のメニューを作りあげる。プロの料理人として全身全霊を注ぎ込んだ闘いと道程に深く感動した。西島秀俊の迫真の演技が実に素晴らしく終始圧倒された。

世界の人々を喜ばせたい料理人が周りを信頼できなくてその料理はできる訳がないという妻(宮崎あおい)の言葉には大いに感銘を受けた。これは料理の世界に限ったことではない。妻を真のパートーナーとして認め、共にメニュー作りに挑戦していることへの感謝の気持ちが実に大切だ。妻はそれに十分に見合う日々の努力と夫を支え続ける役割を命がけでやり通す。封建時代の真っ只中で女性・妻・母として全力で闘い抜いたことを心から賞賛したい。

一方、70年後の2000年代初頭の主人公 佐々木充(二宮)は、天才料理人で絶対味覚といわれる麒麟の舌を持ち、一度食べればどんな味でも再現できるという。ある人物から高額で引き受けた「大日本帝国食彩全席」のメニューを探す旅。その後の展開とエンディングには大きな感動と愛が待ち受けていた。佐々木の不遇な人生に驚くと共に血は争えないものだと強く感じた。これは実話かと思わせる程の素晴らしい脚本と豪華キャストの共演は物語により深みをもたらせていたと思う。