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ラストレシピ 麒麟の舌の記憶のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.0
2000年代初頭。一度食べた味を完全再現できる絶対味覚=“麒麟の舌”の持ち主である佐々木充(二宮和也)は、依頼人が人生最後に食べたい料理を再現して高額の報酬を得る通称・最期の料理人。幼少時に両親を亡くして以来、施設で育ち、自らの才能だけを頼りに生きてきた。
ある日、世界各国のVIPが彼の料理を食べに来るという中国料理界の重鎮・楊晴明(笈田ヨシ)から、充は幻のフルコース『大日本帝国食菜全席』の復元を依頼される。
楊は1930年代、満州で山形直太朗(西島秀俊)の調理助手としてメニュー作成に協力したが、消息を絶った直太朗とともにレシピ集も散逸されたという。
そしてその直太朗もまた、“麒麟の舌”を持つ料理人であった。
元・天皇の料理番として宮内省に勤めていたが、『大日本帝国食菜全席』作成のため、満州に渡る。
やがて、メニュー開発をすすめるうちに、日本と他国の料理を融合して新たなレシピを生み出すことが、民族間の相互理解の助けとなり「料理をもって和を成せる」という考えに至る。
その理想に人生すべてを捧げることとなるが、太平洋戦争開戦直前にレシピ集とともに消息を絶ったのであった……。
充は、関係者たちの証言を集めながら、消えたレシピの解明に挑むが、やがて70年の時をつなぐ壮大な愛の物語を知る……。
天皇の料理番山形が、第2次世界大戦前に陸軍から依頼されて作った万漢全席に負けないコース料理「大日本帝国食菜全席」のレシピの謎を、山形と同じ絶対味覚「麒麟の舌」を持つ佐々木充が解いていく料理ミステリー映画。
万漢全席と同じく他国の料理のレシピと日本のレシピを融合し、民族を繋ぐ平和の願いを込めた「大日本帝国食菜全席」のレシピ誕生の秘話を、「いわしの春巻」「かつおだしを使ったロールキャベツ」などの日本と他国の料理のレシピを融合した至極の料理の数々、山形がレシピを作っていく中で「料理は人を笑顔にし幸せにするもの」という真理に目覚めていく中での山形と仲間の料理人との絆、山形が何故「大日本帝国食菜全席」のレシピを封印せざるを得なかったのかと日本の謀略の関係、「大日本帝国食菜全席」のレシピの行方を絡めて描く、日本の歴史や料理の秘話として楽しめる料理ミステリー映画。
料理の猛特訓した二宮和也、西島秀俊の一流料理人ぶりが、見所。
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