YUMiC

僕のワンダフル・ライフのYUMiCのレビュー・感想・評価

僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)
4.7
2018.09.06 @DVD

輪廻転生を繰り返す犬と
その犬が最大にして
最愛だったご主人様と
まためぐり逢い犬として生まれた
自分の意味を見つける物語。

パッケージからして
よくある犬がある家族の元へ来て、
生涯を全うするまでの
笑えて泣ける映画だと思っていたけど、
大間違いだった。

まず物語を回していくのが犬。
犬の視点と心の声の語りで構成されていて、
犬がひたすら解説をしてくる。
そして何よりも驚いたのが
ひと家族との話ではなく
輪廻転生することで
1匹の犬が色んな飼い主と出会い
その人生を生きるのを
描いてるという珍しい構成。
でもその構成が凄くよかった。

ある時は野良犬として生まれ、
保健所に行く時もあれば、
幸せな飼い主にめぐり会えたり、
素敵な相手とも共に過ごせたりする。
でもそんな犬ばかりじゃないのが現実で、
飼ったはいいけど、世話は皆無で、
動物虐待をする家庭もある。

この一本の映画で
この世の中に生きる全てではないけれど
犬の生き方がそれぞれあり、
そこには幸せな人生も辛く酷い人生もあって、
動物と共に生きるということの意味を
目の当たりにもさせられる。

私は犬を飼ったことがない。
うちには猫が居るけど、
犬はまた違う存在価値が
あるんだろうなと思った。
いかに犬が賢く、飼い主に寄り添い、
幸せな時間を与えてくれる
存在なのかというのがよくわかる。
もちろんこの世の中に存在する
全ての動物たちが飼い主に
与える存在価値はそれぞれあって
犬だからというのは決してない。
でも飼ったことの無い私が、犬も素敵なんだな。と
観た後にそう思わせてくれる。

動物を飼うというのは簡単なこと。
でも飼う以上にそこには大きな責任があって
いずれつらい別れは必ずくる。
私たちはそれを本当の意味で理解して
動物を家族に迎えなければいけないのだと思う。

この世界にはたくさんの幸せな動物もいる。
でも反面殺処分される子たちも多くいる。
そんな世界などこの世の中から
早くなくなればいいなと、
愛らしくて、一途で、
どんな時も一生懸命生きるこの犬の姿が
そんな暖かくて優しい気持ちを与えてくれる。
きっと観た人みんなに与えてくれる気がする。

そして何より今出逢って飼っている子と
お別れしてしまえば
もう一生会えずそこで終わってしまうと
誰しもが思う切ない気持ちに、
またこの子とはめぐり逢えるのかもと
心をじんわり暖かくてさせてくれる。

犬が自分の意味を見つける映画だけど、
ほんとは観た人が犬の
深い愛を教えられる映画だと思う。
それぞれの物語で笑ったり泣いたりと
忙しい映画だけど、
明るく前向きでまた見たいって思える
本当にいい映画でした。

登場する犬たちの賢すぎる演技に脱帽。
YUMiC

YUMiC