ぼのご

ウィジャ ビギニング ~呪い襲い殺す~のぼのごのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

しっかりと作られた良い洋ホラーだった。
恐怖は抑えめだけど不気味な演出が冴えている。取り憑かれた妹が姉の耳元で何かを吹き込んでいる場面や、姉が鏡を見た時に口元が縫われていく場面は本当に気味が悪い。そうした場面がただ怖がらせる為に用意してあるのではなく、不可解な出来事にもちゃんと意味を持たせていて好感が持てた。終盤はお化け屋敷感が出てちょっと笑ったけど、それはそれで楽しめた。

ハッピーエンドを予感させる陽気で初々しい恋愛を織り混ぜ、途中までは心温まる人間ドラマとして終わってもおかしくない雰囲気だったのに、なんだかんだで最終的に全員漏れなく不幸にする監督の鬼畜さが怖い笑

お父さんの霊はちょっとした救いになっていたけど、結局家族を守り切れないのが余計に悲しかった。大切な人の霊が悪霊に取り憑かれた人を守ろうとする描写は『呪怨』にもあったけど、こういうのって悪霊の方が強いのがお決まりみたいだし、大切な人は死んだ後も苦しむことになるから二重につらい。

この映画は悪霊の意識がはっきりしていて、神父が除霊しようと神に祈りを捧げている時「神がいるなら何故俺たちはこんな目にあった」と生前に酷い目に遭った記憶を念頭に祈りを一蹴する場面が印象的。たしかにその通りだと思うけど、だからってこんな良い人たちを殺さないでほしい……悪霊は究極の無敵の人だった。
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