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ウィジャ ビギニング ~呪い襲い殺す~のhorahukiのレビュー・感想・評価

4.0
父親が他界し、占い師をしている母親と幼い妹ドリスと3人暮らしの主人公リーナ。占いといっても死者を呼び戻し、残された家族との対話を手助けするという降霊会を生業にしている。もちろんそれはインチキでリーナとドリスの姉妹も演出の手伝いをしている。そんな中、降霊会のアイテムとしてウィジャボードを導入した矢先、ドリスに異変が起き…という話。

これが見たかったんです!
ホラー界の新鋭マイクフラナガン監督の現時点での最高傑作じゃないですかね?結局まだ『人喰いトンネル』だけ見てないんですけどねf^_^;
それにしても、前作で『呪い襲い殺す』とかいう邦題つけちゃったもんだから、今回の邦題苦労した感が出ちゃってますね(笑)

前作の原因となった事件を前日譚として扱ったのが本作。ちなみにいきなりこれから見ても全く問題ないです。ただ前作の核心部分のネタバレがあるので、前作見る予定がある方は素直に順番通りに見た方が良いと思います。

プランシェットのガラス部分を通しての恐怖演出とか、化物しっかり出しちゃうところとか監督らしさ全開で良かったですね。それとドリス役の子の演技も素晴らしい。普段はすごく可愛いのに、吸い込まれてしまいそうな寒々とした恐怖を与えるあの表情。将来有望ですね!

父親は交通事故で亡くなっていて、自宅を差し押さえられるくらい生活に困窮している主人公一家。それでも母親は普通の仕事はせず、死者と会話するという降霊で生計を立てようとしている。その心の奥底には間違いなく夫への強い未練があるんですよね。降霊をすることで夫を感じたい。つまり降霊=過去への執着。前を向きたくても向くことができない。その弱り切った心があるからこそ、この家族に魔がついたんだと思います。

それでも母親はドリスの降霊を頑なに信じ続ける。それは夫の存在を信じたいことの裏返し。過去からの脱却の難しさが描かれていますね。この監督は、家族再生よりもこっちの方面の方が上手いような気がします。次は『ラストサマー』のリメイクを監督するようでそちらも楽しみです(*^^*)
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