140字プロレス鶴見辰吾ジラ

サバイバルファミリーの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)
4.2
「ウォーターボーイズの!」という枕詞が大いにもったいないと思える矢口監督のSFホラーテイストのホームコメディ。コメディとしては明らかに悪意の塊のような追い詰め方をしてくるのでグイグイと引き込まれてしまった。「ある日突然、すべての電気が消失したら?」という大がかりなディザスターパニックを日本というマクロ的な世界観でなく、家族というミクロ的な視点、かつ日本人の社畜性や携帯依存性、ひっくるめたテクノロジー依存が、冒頭の電子音含むノイジーで雑多な空間から一気に音の消えた世界へと引きずり落とされる、ほんの少しの世界の終わり感がたまらなくワクワクした。先述した「嫌味」「悪意ある」コメディといつしかそれが「生きる」ことの大事さを説教臭くなく問いかけられたことにはドキっとしつつ、出てくる人たちの裏に潜む怖さ感の絶妙なさじ加減が忘れられない。