MARIASAKURAI

サバイバルファミリーのMARIASAKURAIのレビュー・感想・評価

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)
2.3
前から観たいと思っていてやっと観れた。
スウィングガールズやウォーターボーイズのような話のように、この映画もサバイバル生活の中でコメディー要素の強い展開になるのかなと思いきや、観ているこちら側がジワリジワリと不安を感じる怖さ、そこにチラチラとコメディー要素をぶち込んでくるので見応えはあった。

だけど最終的には金曜ロードショーやテレビでやれるようなやつだなと思った。
それは、電気や生活していく上、生きていく上での苦しみなどの精神的な苦しみがリアルに迫ってくるが故に人間的な問題がリアルに描かれていない。例えば、あれだけの生活難があるのに出てくる人達は良い人ばかり。よく「私は人に恵まれました」という頭空っぽな成功した奴とかテレビに出てるけど、それは頭が空っぽだから気づけていない感受性の足りなさをアピールしている事になってしまっている。まさにそれが映画を観ていて感じてしまってしょうがない。「こんなお父さんいるよね」みたいな表現でのリアルさは感じても、周りの環境が腐敗しているのだから、人間の汚い泥臭い争いがもっとあるに決まっている。なんでそこはリアルじゃないの?と思ってくる。
そして劇中チョコチョコと出てくる「先人の知恵は素晴らしい」「電気がなくても昔の物(フィルムカメラとか)はすごい」みたいな日本人的生活の知恵アピール、全然さりげなくないから不快だった。というかむしろ寒かった。
そして電気以外の電池などの物が使えなくなる謎の現象をものすごく雑な原因として物語の数分で説明する。もはや笑える。

小日向文世、深津絵里の演技がなければ成り立っていない。むしろ、ストーリーについて深く考えなければ演技やキャラクターを楽しみに観るのも全然楽しめると思う。だから、観終って数時間後はああ普通に面白かったなという気分になるのは監督が上手いからで良く良く考えると「なんやあの映画?」となってくる。
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