このレビューはネタバレを含みます
ジグソウ生存中の第１部がピークだったと思う人気シリーズ、まさかの続編。前作『～ ザ・ファイナル』が個人的に駄作だったので当初は観る予定は無かったんですが、とある米批評家サイトで観客満足度93%を獲得してるのを見て興味が湧いたので大学帰りに行って参りました。
観た直後の印象としては、『ジェイソン・ボーン』に似たものを感じましたね。特別面白いわけでもなく、絶対に作られるべき続編でもないけど、これはこれで面白いって感じ。ただこの作品から第３部が始まるということですが、これ１本で終わらせた方が良いと思います。また何か変な方向に走りそうだし。
何故か死んだはずのジグソウことトビン・ベルの名前がある時点で違和感しかなく、また露骨に回想いれるのだろうとか考えていたら、見事時間トリックにハマってしまったわけです。思えば、あのゲーム内ではジグソウに対する台詞に「死んだはず」というワードが全く使われてませんでした。時間トリックは「2」でも使われましたが、この新作では中々巧妙に仕掛けられていましたし、ある意味脚本の勝利だと思います。
アバンタイトルのゲーム、"ゲームオーバー"、そして例のBGM(本作はアレンジ版が流れます)といった定番演出が無かったり、前作までの生き残りは１人も出ないなど、これが新たなるスタートであり、今までのシリーズとは少しテイストが異なるので、少し物足りないと思う方も絶対にいるとは思いますが、ド定番を貫き続けた結果マンネリ化が著しかった旧シリーズと比べて、確かにスリルやグロテスク映像、ミステリー演出もありながらも映像的にも内容的にもスタイリッシュになった新しいソウだと思います。
「何でローガンは10年も待つ必要あったの？」とか、「エレノアどこいった？」とか、突っ込みどころの多さは相変わらずですが、これはまた来る続編で明らかにされていくのでしょう。旧シリーズもそんな感じでどんどん明らかにしていきましたから。
弱冠心理描写は弱いし、登場人物に共感しにくかったり、難点はあれど、最高のスリルを味わえるあっという間の92分間です。そして初めて映画館で同シリーズ観て気付きましたが、大画面かつ暗闇の中で観ると結構怖いんですねwテレビで観るのとは全然違いました。毎年観に行く人の気持ちが凄くわかりました！
単体としての完成度は高く、同シリーズでは１作目、もしくは２作目に次ぐ面白さでした。4以降暗雲が立ち込めていたシリーズだけに期待していなかったのもありますが、期待には十分応えてくれる新作です。
ただこれからどのように展開されていくのかはあまり興味ないし、嫌な予感がするのでこれで止めた方が良いと思います。案の定全米ではシリーズ２番目に低い数字になっているソウなので、今度こそ本当に潮時かもしれませんね。
ちなみに僕のソウに対する評価はこんな感じ。
1>2>8>3>4>6>7>5
特に、ファイナルと5は嫌いです♨️
