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ジグソウ:ソウ・レガシーのTEPPEIのレビュー・感想・評価

ジグソウ:ソウ・レガシー(2017年製作の映画)
1.7
このゲームではこいつ死ぬから、次のゲームはこいつが死ぬようにして…というなんか旧来の「ソウ」シリーズにはなかった逆算出来レースが本作にはあった。実に7年ぶりの始動となった「ジグソウ」は6作目の興行がフルボッコだったために10作目まであった計画を前倒しし、超絶後付け無理やりエンディングで幕を閉じた。
なお殺人鬼ジグソウはこれまでゲームを通して何様だお前と言いたくなるくらい、命の尊さを語ってきた。故に私怨でゲームを強要したり、あからさまな無理ゲーもしない。だから何となくカリスマ的ではあるのだろうが、今回の私怨ぶりと言ったらもう立ち位置的にはオマケ映画。申し訳ないがSAWユニバースの拡大としてついに後に引けなくなってしまっている。
スプラッタ描写は心理戦も何もない、やかましい輩が勝手に死んでしまうので終始飽きてしまう。ゲーム内容もこれまた無理ゲー過ぎて、同時進行の刑事たちの捜査も退屈で監督たちには勿体ない印象だった。
元々ライオンズゲートはリメイクの計画を練っていたが、このようななんちゃってリブート作るくらいなら、「ジグソウ後継者養成所」でスピンオフでもつくった方がまだ観る。あの殺人鬼は10年前に死んだはずだとか、お前だったのか…!なんて展開もかなり見飽きているので、どことなく一作目を汲み取ってあとは変わらずゴア描写万歳なのでうーん、面白くはない。
総評としてスリラー映画としての色は格段に落ち、オッさんの私怨が漂う「ジグソウ」はソウシリーズのファンを喜ばせる要因はあってもそれ以外のターゲット獲得に失敗したできの悪いプロットが目立っている。正直予告編のトーンみたく、少しクラシックに仕上げた方がまだ良かったのではないか。予告編の出来はシリーズ屈指の出来だった。
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