海外のソーシャルメディアでの絶賛を見てたけど、なかなか食指が動かずやっと観た。これ、年内に観てたら確実に年間ベストに入れてたな。
"当たり前の日常を噛み締めること"こそが人生の幸せだなんて安直なメッセージじゃなくて、目標を持って何かを成し遂げることの素晴らしさもあるし、当たり前の日常はもちろん尊い。それに当たり前を失うこともただの悲劇ではなくて、だからこそ見える幸せもある。
音楽を生業にして、それが即ち人生の目的でもあったルーベンが聴力を失って気付くこと。音楽ナシじゃ生きられない自分にとって、身につまされるような映画だった。
それに多くの人にとっての幸福って、結局"コミュニティに所属して人から必要とされること"なんだよなとも思ったり。
全編を通して必然的に静かなショットが多くはなってるけど、全く目を離せないほど引きつけられるリズ・アーメッドの演技も圧巻。
終盤、リズ・アーメッドとオリヴィア・クックの表情だけで全てを語る演技にホント感動した。恋愛論というかパートナー論でもあるけど、人生のある瞬間には確実に必要だったパートナーも、人生が進むと別の選択肢を取ることがお互いにとってベストであることは間違いなくあるんだよな。
そこからのラストシーンはもう最高…。
いや〜、ホントに良い映画を観た。
