これは良作。本年度アカデミー賞作品賞はじめ6部門ノミネートしている話題作です。
ヘビーメタルのドラマーが、聴力を失う話。
突如起こった受け入れられない現実。
バンドメンバーとも共にした彼女と別れ、ろう者のコミュニティで過ごしていくにつれ、少しずつ音のない平穏を感じるようになります。
朝早く起きてノートに思いを書くことから少しずつ変わっていくのがよかった。すべり台で子供と一緒に鼓動を感じるシーンが好き。子供たちと純粋に”音楽”を楽しんでいるのがとっても良いんですよね。
耳が聞こえないということは障害ではなく、治すものではないこと。
インプラントを使った手術で聴覚を取り戻した主人公のルーベンが、ラスト取った行動が印象的です。
音のない世界を観ている私たちも体験できる演出がすごかった。アカデミー賞の音響賞もノミネートされています。
今まで聞いていた自然の音、人工的な音、音楽が聞けなくなったこと。
一方静寂な世界に、安らぎや楽しさを得られること。
なんだか心が優しくなる素晴らしい映画でした。
（音声メディアが増えてきて、音の情報を入れがちなのですが、雑多な音が多くなることで失っている物もあるんだなぁと考えさせられました。）
