Inagaquilala

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のInagaquilalaのレビュー・感想・評価

4.1
突然、聴覚を失ったドラマーが主人公の物語。歌手である恋人とともに、トレラーハウスに暮らしながら、アメリカ各地をまわりライブをしていた主人公。聴力を失ったことで、ろう者の支援コミュニティに入るが、そこでは携帯電話は使用できず、外部との接触も制限されていた。一緒に旅をしていた恋人とは離れ、手話の取得に勤しむ主人公だったが、トレーラーハウスを売り払い、手術による聴力の回復を図る。コミュニティからは施設に残って、運営への協力を求められるが、雑音は入るものの少し聴力を回復した主人公は、パリに戻っていた恋人に会いにいく。彼がそこで得たこととは。

監督と脚本は「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」(デレク・シアンフランス監督、2012年)の脚本を担当していたダリウス・マーダー。ライアン・ゴズリングが主人公を熱演した作品の脚本家が手がけたものだけに、決して一筋縄では行かない展開が待ち受けているが、作品の底には深く考えさせられるものが流れている。聴覚に障害が出るところでは、そのような音の処理がされていて、主人公の心情にも重ね合わせることができる。主人公を演じたリズ・アーメッドの演技も素晴らしかった。いくつかの賞にノミネートされたの納得の作品だ。
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