アーロン

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のアーロンのレビュー・感想・評価

4.3
まず第一に主演のリズ・アーメットがすごくいい。好きになった。

正直、聴覚のインプラントを使うとあの様な音伝達になるとは知らなかった。
クリアではないにしろ聞こえづらさの問題かと勝手に想像していたので『メタル音』を聞かされた時の驚きと作品タイトル由来が『メタルバンドマン』とのダブルミーニングになっていることに気付く。

前半のほとんどの台詞がとにかくこんなにも使い訳があるものかと思うほど『fuck』活用し連発します。状況が見えないから的確な語彙を探して語れないルーベン。それだけで、心算もなく急速に聴覚を失っていく不安と苛立ちがヒシヒシと伝わってくる。

普段の暮らしの中で自意識なく享受していた幸せなど失われたものを必死に取り戻そうと抗うことが必ずしも最善ではないなど、いろいろと考えさせられる。

この作品を観れて良かった。
アーロン

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