この作品の良さは色々あって語りきれない!
まず、主演のリズアーメッドの繊細な演技。ヘビメタの激しい演奏から始まり、刺青いっぱい、バンドマンという役柄から想像できないような、一つひとつの機微がある表情がたまらない。そういえば彼はナイトクローラーにでてた助手だった。そしてなんと言っても彼女をはじめとした周囲の人々との関係性の描き方が素晴らしい。周りと向き合うことで少しずつ自分と向き合っていく姿は見ていて心地よいのだが、それだけでは終わらないところがこの作品の格をもう一段階上げているような。
最後に、「聞こえるということ」この日本語のサブタイトルは本質を捉えてて好きだなぁ。ラストシーンにもセンスを感じたし、余韻とは少し違う、心にずっしりと残るような作品でした。
2022 #83