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西北西のpakeのレビュー・感想・評価

西北西(2015年製作の映画)
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祝日の昼前、隠されたような場所に位置している映画館に一人で来る大人達、皆口を噤んでいた、私の将来を見たようだった、他人のジェンダーや痛みは知っていると思っていたが、こんなにも自らが国境に抵抗を持っているとは、不意を突かれた、見つめ直すきっかけにでもなったつもりである、それにしても私は、女性の女性らしい弱さが苦手だ、9割女性が映るこの映画であったが、途中で池松壮亮を望む自分が居たことは確かである、精神的な暗さと強さが絶妙で、海に浮かんでいるような映画だった、突然ライトに照らされて、映画館の外に追いやられた時は、初めて歩いたみたいに上手く歩けなかった。フローリングに立つ椅子の脚、充電したまま投げ出されたiPhone、好きなのか覚めたのか分からなくなってしまうほど、近くの恋人と眠った翌朝、眠っている私達の横で、網戸から吹いた風に揺らされるカーテン、どれもこれも見覚えのあることで、切なくなりました。
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