マクガフィン

西北西のマクガフィンのレビュー・感想・評価

西北西(2015年製作の映画)
3.3
磁場が狂う部屋に住むケイは、止まらない方位磁石のように〈生〉と〈愛〉で揺れ続けて、恋人のアイと問題を抱えている。一方、磁場が狂う部屋でも西北西を探して祈りを捧げるイラン人留学生のナイマ。信じる宗教があるが、外国人としての日本生活に不便さも。

ケイとアイでさえ問題を抱いているが、ナイマが加わることで更に問題を生まれる。これは、3人の関係は異質共存の軋轢で、混沌とした無秩序な問題がぶつかり合い、新たな問題が生じることが、複雑化する世の中の仕組みのメタ的なことが興味深い。

同じ文化やLGBTのケイとアイでさえ、相互理解できないのに、異文化のナイマなら尚更。つまり、相互理解なんて簡単にできるものではなく、両者が互いの価値観を尊重しようとする相互尊重の重要性については考えさせられるが、作り方は上手くない。

余すところ無く凝りすぎた映像が続くことは疲れるし、自意識の高さもに垣間見れる。嫌いではないし、安易でもないが、たまには一端気持ちをリセットさせたり、整理させないと。映画沢山見る人や、LGBTや異文化のことをある程度以上の知識がないと楽しめないのでは。

多様性だけで片付かない、LGBTも異文化の問題の本質は一緒に感じた。