小一郎

西北西の小一郎のレビュー・感想・評価

西北西(2015年製作の映画)
3.7
ケイというレズビアンの女性を主人公とした物語だけれど、それを全面的に押し出しているわけではなく、中村拓朗監督が経験したことを下敷きに「他者を想う」事とはどういうことかを考えたと制作した映画、らしい。

女性モデルのアイはケイへの強すぎる好きな気持ちが、怒りとか嫉妬とか憎しみとかの負の感情として表れてしまいがち。ケイはアイの気持ちに向き合うことができず、アイとの関係に戸惑っている。

ケイは、日本での生活、同級生との関係に悩んでいるイスラム教徒のイラン人留学生ナイマとの出会いをきっかけに、自分の中で何かが変わってくが、ナイマはケイの気持ちを…、みたいな感じなのかな。

監督は彼女と同級生の男という自身が経験した3人の関係をもとにしたと言っていて、だとすればケイは監督で、アイが彼女、同級生の彼がナイマなのだろう。

<彼女に対して、彼に対して、僕が抱えたカオティックな感情を映画にキャプチャーしたかった。 そして、僕にとっての『西北西』を探求したいと思った>というように、悩める監督を投影したケイの気持ちはわかるようで、わからない。
(http://cinefil.tokyo/_ct/17189829)

「他者を想う」事とはどういうことかというテーマも広すぎて、スッキリはしないけれど、ホモセクシャルをレズビアンに、自身を縛る超自我(タブー)を宗教・文化に置き換え、ちょっと引っかかる物語にはなっているのではないかと。

●物語(50%×3.5):1.75
・設定は面白い。監督の気持ちそのままにもうひとつスッキリしないところが良いのだろう。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・役者さんの演技は良かったのではないかと。

●画、音、音楽(20%×3.5):0.70
・雰囲気が良かった。