ちろる

西北西のちろるのレビュー・感想・評価

西北西(2015年製作の映画)
3.6
東京という街でうまくハマれないでどうしようもなく追い詰められた3人の女性の物語。
1人はイラン人留学生ナイマ
そしてレズビアンのカップルのケイとアイ。
将来への言い知れぬ不安感や、埋められない空虚感の雰囲気が画面から伝わってきて観ているほうも押しつぶされそうになってきた。
ケイは恋人アイとのうまくいかない苛立ちから逃げ腰になり、そんな時にナイマに出会う。
互いに東京の街の冷たい空気に晒されて、その寂しさを慰め合うような関係となるわけだけど、ナイマを性的対象として感じてしまうケイと、恋とはなんたるかもわからないナイマとの隔たりがまた新たな空虚感を生む。
アイの嫉妬が重なりだすと、さらにこの物語に幾重にも空虚感が増えていくようで観ていて辛い。
韓英恵さんのクールビューティーと、サヘルさんのエキゾチックビューティーの対比が美しくてなんだか見入ってしまった。
磁場の乱れたケイの家にはっきりと方位を示す日はくるのだろうか・・・。
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