抑制が効いたロードムービー。
主人公が一体何をしたんだ・・・ってくらい扱いが酷くて見てて辛い映画でした。岬の兄妹のようなプライド故に自分の力で何とかしようと奮闘する姿は、背中や表情から見える彼が持つ孤独さを見事に描いていたしカメラワークからもそれを紐解く作りは良かったです！
映像は広大さと美しさを両立した姿を堪能できるけど、個人的にはそれ以外にも心情演出にも使われていたりズームイン / ズームアウトから心情の変化を組み込んだ作りが良くてコンセプトとの同期付けがしっかりしていたかな。
自分の居場所を求める旅で所々ご都合主義なのと極めて静的な主人公の変化に少し退屈するものの、主人公の演技が全体的に光った一作でメッセージ性と映像表現が見事だと感じました。
キャッチーではないものの、自分の力で安息の場所を得ようとする姿は現代を生きる我々にとって普遍的なテーマで泥臭いヒューマンドラマが見たい人にオススメできる作品だと思います。
ただ岬の兄妹と同様に、一般的な援助の考え方(ここだと警察官/医者/保安官などの大人に頼る)やストーリーに重きを気にする人にはそこがノイズになるかも。。。
