来夢

荒野にての来夢のレビュー・感想・評価

荒野にて(2017年製作の映画)
4.5
2019年のダークホース的作品だね。馬だけに。言いたかっただけですごめんなさい。正直に言います。泣きました。眼科医曰わく超ドライアイという左目からも涙が。父子系は弱いって自覚してるけど、今回のはそういうんじゃない。とってもいい子の主人公がひたすら墜ちていく重くて痛々しいロードムービー。俺の大好きな感じで、泣く要素ないと思ってたのにね。まぁそれは歳取って涙脆くなったからかもしれない。
しがみつける場所も隠れられる場所もない、まるで荒野のような状態でも、ずっと彼の中には父がいて、彼が握る手綱の先には可愛い馬がいる。でもどちらも絶対的な安心感をあたえるものではなく、助けを呼ぶべき声を押し殺させてしまう猿ぐつわのようでさえある。じゃあそれらを手放すことが彼にとって正しい選択かと言えばそう簡単な話でもない。決して正しいとは言えない道を歩んでしまったのだとしても、きっと必要なことだったんだと思うし、このあとはネタバレになるのでやめておきますが、素晴らしい作品でした。
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