JT

マグダラのマリアのJTのレビュー・感想・評価

マグダラのマリア(2018年製作の映画)
4.2
女は尋ねた
"神の国とはどのようなものか?"
主は答えた
"それは種のようなものだ"

2019 . 52 -『Mary Magdalen』
(2度目の鑑賞)

イエス・キリストの復活を見届けたとされるマグダラのマリアを描いた史実に基づく話

驚くことにこの作品は宗教的のようでそうでない
とても人間的で普遍性を持った美しい作品である

紀元33年 ユダヤの国
ユダヤ人はローマ帝国の圧政に苦しんでいた
反乱が頻発して平和とは程遠い時代
人々は救世主が現れることを予言され
神の国の到来が告げられることを望んだ

この映画のレビューで無宗教だから共感や理解ができないと言う感想を多く目にしますが信仰があるかないかは関係ないと感じました
話の大元はキリスト教聖書におけるものなので宗教色が強くなるのはあたりまえなのですが
この作品はイエスと言う人物を敬愛して信じ続けたひとりの女性の物語なのです
イエスが唱えた神の国(平和)のために言葉を発し続けたマリアの愛と赦しの話なのです
長い年月をかけて時空を超えるマリアの想い
そしてその紛れもない想いは意味を成すからこそ今の私たちのもとへと届く
疑うことは簡単だが信じ続けることはそうでない
憎むことは簡単だが赦すことはそうでない
ひとりひとりが耳を傾けなければ種は芽吹かない
何かを信じることは誰かを愛すること
そしてその想いは信仰や宗教に収まらないのだ


このひとつ前にレビューをあげたのも宗教色の強い映画だったので少し似たレビューになってしまいました。。
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