光

オーメン 呪戒の光のネタバレレビュー・内容・結末

オーメン 呪戒(2009年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

極限の低予算から努力が見られる程度の駄作。
1週間家族旅行としてロッジへ向かった家族が霊との接触により封印されていた家族の秘密が紐解かれる心霊ホラー作品でした。
話の筋道はよくある心霊ホラーと遜色ないものでアイデアに欠け、とりあえずホラー映画好きな監督たちが真似して作ったみたいな作品という印象です。
ただ、恐怖の舞台となるロッジは元々が妻の旧家だという設定を使って霊の根源の秘密へと踏み込んだアプローチはひと工夫感じられました。
霊が3人の子供で実は幼い頃に虐待死された妻の義兄弟たちだったという真相はおもしろい。
今まで心霊現象はなぜ起こっていなかったのかという疑問も解決するし、この家族間だけで完結した物語にすることに説得力を持たせている。
とはいえこの霊になった妻の義兄弟たちは虐待した張本人の妻の母親にはノータッチなのがいただけないね。
もっとも怨んでいたとか復讐したいとかいう感情があったのかどうかはわからない。
誰かに危害を加えるつもりもなさそうだったし、出てきたのも妻に幼い頃の記憶を思い出してもらうためだけみたいだったように思える。
つまるところ人畜無害な霊だった。
そんなわけで本作の欠点は心霊映画なのに霊による殺害シーンが無いし恐怖描写も少ないものとなっていた。
せめて虐待されたフラッシュバックとか幻覚を見せるとか子供たちに再現するとかの伏線がほしかったところです。
一応ビビらせるショッカー描写は力を入れているというのは感じとることが出来るような良いシーンはある。
そういった意味で努力は認める。
しかし肝心のシーンが暗いシーンばっかりだったり、居るだけでビビらすという構図の繰り返しだったりで個性がない。
それもこれも予算と技術が無いからなのはあきらか。
画質も糞みたいに悪いし、音響効果も非常にヘタ、セリフ・BGM・SEの音量バランスもおかしいし作りがド素人丸出しなんです。
シナリオは形になっているんですが、その形しかできていない映画という評価ですね。
最悪なのは心霊ホラーなのに霊が全然でてこないこと。
出てきてもさりげなく居るだけで作中の登場人物が霊の存在に気づかず鑑賞者だけをビビらす存在になっている。
基本ロッジに家族旅行に来たというシーンを延々垂れ流しにされ10分に1度ペースで霊が顔を出すといった感じのを50分近く繰り返すのです。
霊も襲ってこないしこの映画は何をしたいのかわからなくなりますよ。
ようやく霊が襲ってきたと思ったら夢オチだったりするし。
ハッキリ言ってわざわざ観るほどの作品ではなかった。
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