このレビューはネタバレを含みます
竜巻を研究する、ストーム・チェイサーの話。
久しぶりに見返したのですが、主人公が竜巻にトラウマがあったり、ライバルの存在があったりと、昨年公開された『ツイスターズ』は、かなりオリジナルに寄せて作られていたんだな~と、今更ながら気付かされました。
続編と言うよりは、リメイクや姉妹作に近い作品だったんですね。
『ツイスターズ』はライバルとの関係が強調されていましたが、本作はそこまで目立たず。
あくまで主人公ジョーを中心にした、ストーリーテリングが本作の特徴でしょう。
ジョーの自分勝手な振る舞いにはイライラさせられつつも、彼女の中には父親を殺された怨念という竜巻がうごめいている事が分かりますし、夫とその恋人による三角関係というスクリューボール・コメディな恋の竜巻がうごめいているのも面白い部分。
フィリップ・シーモア・ホフマンやアラン・ラックら脇役も良い味を出しているし、主人公側に集中して見れる本作の方が『ツイスターズ』よりも見易い印象を受けました。
あとは、ディザスター・ムービーとしてのケレンも魅力かなと。
人間が吹き飛ぶシーンは『ツイスターズ』にもありましたけど、流石に牛が飛んで来る事はなかったし、中でも白眉なのが終盤のチェイスシーン。
タンクローリーやらトラクターやらが落下してきたと思ったら、まさかの転がってきた家の中を突っ込んで貫通する始末。
いや~こういうバカバカしくて大仰な展開こそ、ハリウッド映画というものでしょう。
最後の最後には竜巻の中心というエピックな描写もあったりして、これらインパクトのある映像という点でも、『ツイスターズ』に勝っていた様に思います。
まぁ、本作がエクストリームな描写を突き詰めた作品であるが故に、『ツイスターズ』はリアルな人間ドラマにシフトしたのかもしれませんが、個人的には本作の方が好きですね。
若干CGが古いとはいえ、気になる程ではないし、『ツイスターズ』がイマイチだった…という方にも是非見て欲しい作品です。