おーそん

フェリシーと夢のトウシューズのおーそんのレビュー・感想・評価

3.5
実にテンポよくサクサクとお話が進むので飽きずに観ることはできましたが、テンポの良さの裏には、物語の厚みのなさや語り足りない要素が多くあったことも否めないと思います。

施設あがりの少女フェリシーが名門バレエ学校に強引に忍び込み勝手にレッスンを受けはじめたかと思えば数日で及第点のレベルまで上達しているようだったし、かつては名バレリーナだったぽい黒木瞳の過去は全く語られないのでフェリシーに肩入れする動機が弱いし、夏木マリもただ怖い顔で威嚇しているだけの単なるモンスター扱いだし、相方の男の子はいてもいなくても物語に何の支障もないポジションだし・・・。

アニメ映画はどうしてもディズニー作品と比較してしまいがち。ディズニー映画が安定的な面白さを発揮するのは脇役キャラたちをどれだけ丁寧に描いているかどうかです。その点で比べても、今作の決定的な弱点はストーリーの軸を頑丈に支えてくれるはずの脇役キャラの魅力と彼らの背景にあるサイドストーリーの描写が薄いこと。そこの弱さが露呈したためストーリーの本軸も常にグラグラ揺れていた印象です。最後にはしっかりと夢を叶えるハッピーエンドになるであろうことは皆承知の上なのですが、そこにたどり着くまでの紆余曲折の巧さと最終的に観ている皆が腹落ちするかどうかの説得力は脇役たちがどれだけ強固にストーリーの骨を支えているかに尽きますよね。

とはいえ吹き替えで鑑賞したワタクシは、土屋太鳳の真面目でまっすぐなイメージとフェリシーの快活なイメージがぴったり合致したので、なんだかんだで最後まで飽きずに観てしまいましたね。

是非一度ご鑑賞くださいませ。