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あゝ、荒野 前篇の地球へのレビュー・感想・評価

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)
4.2
訳ありの青年二人の物語

母親に棄てられた野獣のような少年院帰りの青年と、父親のDVに悩む内気な性格の青年が主人公。
ひょんなことから2人は知り合い、そしてボクシングを始める。

少年院帰りの青年は、復讐のために強くなろうとしてボクサーを目指す。
内気な性格の青年は、その性格を克服しようとしてボクサーを目指す。
孤独であり家族に問題を持つ共通点だある、しかし性格は全く異なるが2人はボクシングを通じて不思議な友情が芽生える。

そんな2人を取り囲む、もっと訳ありで個性的な人々の話がまたまた並行して進行していく。
それぞれがある一点に向かっているようで、しかし全く別々の方向に進んでいるようでもある。
今回は前篇なので、これらの伏線は回収されずに終わる。
どのように絡まるのか、どのような結末になるのか興味が尽きない。

ボクシングの試合はなかなか臨場感があり迫力があるが、やはり主人公の2人が自分の人生と真正面から向き合う心の物語である。
これから2人はどこへ向かうのか、後編への期待が深まる。
前編だけで157分と長丁場であるが、迫力あるボクシングシーンと、個性的な登場人物のエピソードで全く長さを感じられなかった。

寺山修二の原作小説は未読であるが本作品から想像すると、ボクシング漫画「あしたのジョー」の原作がではないかと思うほど似た点が多い。
調べてみると原作関係ではない、小説は1966年に発表、漫画は1968年から連載開始。
同じ時代に生まれた似たような作品であるのか?、この点も気になりました。

Filmarksの試写会にて鑑賞。
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