松井の天井直撃ホームラン

あゝ、荒野 前篇の松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)
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☆☆☆★★★

鑑賞後にググったところ、原作が発表されたのが1966年。漫画『あしたのジョー』の連載が始まるのが1967年。

どことなく、菅田将暉のキャラクターが矢吹ジョー。
ヤン・イクチュンのキャラクターがマンモス西。
ユースケサンタマリヤとでんでんを併せたキャラクターが丹下段平。
更に、木村多江が白木葉子に…見えて来てしまった。
但し原作は未読だし、梶原一騎が意識して『あしたのジョー』を書いていたのか?は、最早分からない。

映画は、時代設定を3・11から10年後に設定。
ネットやドローン等を活かし。登場人物達の心情を、現代人が抱える痛みや悩みに置き換えよう…としているのかな?…と思えた。
この考え方があっているのか?は、製作サイドにしか分からないのだけれど…。
今回全編だけを観た段階では。大学の自殺防止フェス等の描き方は、(原作にも描かれているようですが)何とも言えないかな〜と。まだピンとこない段階と言えば良いか。

そんな中に有って。出演者の中では何と言っても、主演の菅田将暉が良い!
その狂犬振りが素晴らしい。
間違いなく賞レースに絡んで来ると思う。

その菅田将暉の対比として描かれるのがヤン・イクチュン。
臆病者ながらもパンチ力が有り、存在能力に溢れている。
エンドロール後には後編の予告編が流れるのですが、。その予告だけを観たら、(おそらくは変貌する)ヤン・イクチュンの姿を確認すべく、劇場へと足を運びたくなるに違いありませんねえ。

この監督は、前作の『二重生活』も素晴らしかったのですが。今回も2時間40分弱があっとゆう間で、後編への期待感しか湧いてこない…とゆう嬉しい悲鳴。
勿論劇場で期待して待つ!

(2017年10月15日 イオンシネマシアタス調布/スクリーン1)