でんでん演じる老トレーナーがふたりの新人ボクサーを見て言う…「毎日おもしれぇな」。それはこっちのセリフでもある。ホント「おもしれぇな」。2時間半があっという間。残り2時間半もあっという間の予感。
少年院から出てきた新次。仲間たちの裏切りに憤るが、その感情をぶつける術がない。一方で、床屋で働く健二。吃音で無口。変わりたいと思うが、その術がない。そこに出会うボクシングのトレーナー(「片目」と呼ぶところがいい)。ふたりはボクシングを始め、やがて「新宿新次」「バリカン健二」としてプロデビューを果たす…
新次と健二、新次の恋人の芳子…。スポーツ、友情、恋愛、家族…。ありきたりな青春ストーリーかと思いきや、どうも様相が異なる。
街中に見られる「対テロ阻止行動地区」の掲示。政府が推進する「社会奉仕プログラム」。若者たちが計画する「自殺防止フェス」。社会のなかに不穏な空気が流れている。まさに「荒野」か。
さらに3人にとっては、家族との関係が「荒野」でもある。その「荒野」のなかで、ふたりはボクシングに出会う。それだけで十分に感動的。
そして、これから「荒野」にどう立ち向かうのか、「荒野」からどう脱け出るのか…後篇が楽しみでならない。
しかしこの話にモロ師岡となると、どうしても『キッズ・リターン』を思い起こす。それはそれで大好きなんだけれど。
で…、芳子役の木下あかりのボディがナイスだなと(笑)