きゃん

あゝ、荒野 前篇のきゃんのレビュー・感想・評価

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)
3.8
生まれも育ちも違う2人の男が出会い、共にブワロボクサーを目指す物語。前編後編とあって1つ150分越えということで長いなと思って後回しにしていたけど、見始めたら引きこまれ、全然長く感じなかった。

かつて母に捨てられた新次は、兄のように慕う劉輝と共に詐欺に明け暮れていた。そんなある日、彼らは仲間の裕二らの襲撃を受ける。そして、2021年の新宿。行き場のないエネルギーを抱えた新次は、裕二への復讐を誓っていた。一方、“バリカン”こと健二は、吃音と赤面対人恐怖症に悩む。ひょんなことから新2人は“片目”こと堀口によってボクシングジムに誘われる。言われるままにジムを訪れた2人は、それぞれの想いを胸にトレーニングを開始する・・・

新次は怒りや孤独をどう吐き出したら良いか分からず苦しんできた。ボクシングに出会い、行き場のないエネルギーをぶつける。ボクシングに真剣に打ち込んでいても何かやらかすんじゃないかという危うさは消えていない。復讐に燃えギラギラする新次を上手く演じていた。菅田将暉の吸引力すごい。全身から溢れんばかりのエネルギーを感じた。体当りの演技。

健二もまたボクシングという打ち込めるものに出会い、さらに自分を兄貴と慕い認めてくれる新次と切磋琢磨することで成長していく。強い男になるために。
息もできない見てから今作見るとヤン・イクチュンさんの演技の振り幅の広さにただただ驚かされた。こんな繊細な演技もできるのか。恐るべしヤン・イクチュン。

後編に続く
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