ニクガタナ

あゝ、荒野 前篇のニクガタナのレビュー・感想・評価

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)
3.6
本当に寺山修司原作の映画?まず小説との違いを知りたくなる。「社会奉仕プログラム」なる徴兵まがいの謎の法律を絡ませるべく近未来設定?親に捨てられたり、親を捨てたり各々生い立ちのトラウマを抱えた若者達と、それぞれの親子同士も微妙に繋がる脚本が面白い。全編新宿舞台の猥雑な感じが、昭和な雰囲気漂う破滅型青春映画の風情。主役の二人がだんだんボクサーとして仕上がっていく様は気持ち良く、ジムで寝食共にする生活シーンが見飽きない。二人が2段ベッドで歌いあうシーンが好き。キレキャラ新宿新次は菅田将暉にはまり役。ヤン・イクチュン撮影時で40超えで劇中設定31歳のバリカン健二役はちょっと無理があるが素晴らしい佇まい。岸監督のキャスティング秀逸。ジム経営者役ユースケ・サンタマリアが軽妙な芝居でなかなか好印象。健二の父役モロ師岡がいつになく迫力ある芝居。自殺防止サークル代表のキチガイぶりが冴えてた。イベントシーンの気の狂いようったらない。後篇の予告がよく出来てて観ざるを得ない。
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