”父なるMAD”
仮釈放中の父
闇社会に手を出した娘
逃亡と再生と抗い
父と娘のロードムービー
「ローガン」で既に見た…
というような構成ながら、主演のメル・ギブソンという要素の使いどころが作品の体温と呼応し、丁寧な積み上げがない中、メル・ギブソン映画としても、メル・ギブソンの人生グラフィとしても印象深い作品に仕上がっている。
明らかにB級映画的な、かつ午後ロー向けな奥行きを感じない絵ではあるが、「MAD MAX」や「ターミネーター」のような娯楽的なツボは適切に抑え、メル・ギブソンの役者人生が駆け出して、栄えた80年代アクションの要素で味付けされた、単純に格好良い映画と言っていいだろう。
何より、今は監督としての技量の高さを見せつけているメル・ギブソンがアクション俳優としてのハイライトを見せつけるような獣のような叫び含め、僅か90分足らずの映画にして、メル・ギブソン版の「ローガン」をやり切った印象である。