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ブラッド・ファーザーのとぽとぽのレビュー・感想・評価

ブラッド・ファーザー(2016年製作の映画)
3.5
仏発なのに豪っぽい荒涼とした地に足着いた現代ダウナー版マッドマックス的その後はさながら子連れ狼?まずBLOOD FATHERってタイトル景気良すぎる、メル・ギブソン主演作として100点!原題からこれとか逆に天才かよ。メルギブの風貌も年齢に見合った形で、かつタトゥーパワーもあって凶暴そうで100点。トレーラーハウスに住んでるなんて『マッドマックス』(と『リーサルウェポン』)から時が経った形として理想的。おまけに最近で言えば刑務所繋がりで『キックオーバー』も。白髪になってシワは刻まれても腕は丸太のように太いからラリアットでも喰らったらひとたまりもなさそう。自宅タトゥー屋店主でバイカーで前科者で元アルコール依存症で全然普通じゃない、裏社会にもやたらと詳しいヤバく屈強な父親像を体現(役柄的にも保守派な彼にピッタリ?)。『96時間』で"戦う親父"界隈ですっかり有名になった(?)電話での逆脅迫も見られますよ。トレーラーパークのご近所、主人公の友人カーヴィ役で個人的に"お爺ちゃんにしたい有名人"トップレベルのウィリアム・H・メイシーがいい味で出ているのもポイント高い、嬉しい。ここにディエゴ・ルナまでいてフランス映画とは!にしても世話のかかる娘にイライラ。この陰謀渦巻く逃避行がここフィルマークスでの平均スコアとか低めなのはきっと思っていたよりテンポの良さや派手さ、つまり景気の良さに欠けるからかな(人とコンディションによってはウトウト寝そう?)。分かりやすい盛り上がり・映画的カタルシスの希薄さは否めないけど、いい意味で淡々サバサバとしてるテンポや空気感も悪くない。むしろ非ハリウッドとして大いにありじゃないか、これはこれで。血生臭く野蛮で暴力的で獰猛で有り余るエネルギー発散、砂に帰す。

"WE WILL FIND YOU"「娘を助けるのが父親だろ、イヤなら聞くな!」「仮釈が消える、ムショに逆戻りだ」「ガソリンは当分高値が続きそうです」→ひたすら広野の風景と相俟ってマッドマックス感「日勤は嫌なやつばっか」「図体は熊みたいだけど噛みなしない」「人を飽きさせない娘だ、目が離せん」「体を売る羽目に」→父親が愛娘に言う台詞じゃない「俺もその罪を背負う、それより正直楽しい」「今も売りはナチと南軍をさか」「反逆はおしゃれアイテムだ」「一帯は俺のシマだ、お前が親父の玉袋にいた頃からな」
TOMATOMETER88 AUDIENCE63
Critic Consensus: Blood Father meets every expectation a film fan could have for a latter-day Mel Gibson action thriller with its title -- and even, in some respects, handily exceeds them.
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