回想シーンでご飯3杯いける

コンプリート・アンノウン 私の知らない彼女の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.2
レイチェル・ワイズとマイケル・シャノン。英米の個性的な「顔」俳優による、何ともミステリアスな会話劇。

タスマニアでカエルの研究をしていたという謎の女性が、近所のオフィスにある社員食堂に出入りする中で、マイケル・シャノン演じる中年男に接近。その女性は15年前に疾走した恋人と瓜ふたつであった。

前半は曖昧な会話が多く、中々話の筋道が見えてこないのだが、それもまた本作の主題であるアイデンティティや記憶とは何か?を問う仕掛けの一部であった事を後から理解する事になる。

登場人物の誰がどこまで事実を理解し、誰が翻弄され続けるのか? それら全てを観客である僕達が思考力をフル稼働させながら観察する映画。カエルや化石の話が何度も出てくる、比喩性に富んだストーリーも魅力だ。